弊社では特定技能の対象として外国人採用の支援を行っています。特定技能外国人の国籍別の特徴を知ることで、マネジメントや採用に役立てることができます。各国外国人にはどのような特徴があるのでしょうか。特定技能外国人のなかで多く受け入れられているインド、ネパール、ミャンマー、ベトナム、インドネシアの5ヵ国について解説いたします。

インドの概況と人材特性
人口世界一を誇るインドは、豊富な労働力を有する「人材の宝庫」です。特に若年層人口の比率が高く、国内では就職競争が激しいため、国外での就労機会を積極的に求める人材が多く存在します。
教育水準の高さは東南アジア諸国と比較しても際立っており、理工系をはじめとした高等教育を受けた人材が豊富です。大卒者の初任給は月額2~3万円程度にとどまることが多く、能力に見合った待遇やキャリア形成を求めて海外就労を志向する傾向があります。
言語面では、英語を中心に平均して3言語程度を話す多言語環境が一般的で、語学センスが高いことが特徴です。このため、新しい言語への適応力が高く、日本語の習得も比較的早いと期待されます。

ミャンマーは、特定技能外国人のなかで4番目に多い国籍です。日本は比較的治安がよく、仏教 を信仰する国民性なので、若いミャンマー人から働き先として人気があります。また経済的な面 でも「日本でお金を稼いで家族に仕送りしたい」と考える傾向にあるようです。
ミャンマー人は一般的に控えめで礼儀正しく、忍耐力があります。食事のマナーを大切にするの で、「上司が先に食べる」 「音を立てないようにする」といった面が見られるでしょう。
仏教徒が多く、仏教の教えから高齢者を大切にする文化があります。そのため介護職を希望する ケースが多いでしょう。また飲食料品製造業分野でも多く働いており、これらの分野は特定技能 の対象となっています。

外国人人材の中で、年々増加を続ける国の1つがネパールです。このことから、ネパール人への日本社会の注目度も一段と高まっていると言えるでしょう。
ネパール人を採用するメリットとして「忍耐強く働いてもらえる」ということがあげられます。ネパールの平均月収は他アジア諸国と比較しても低い水準であるため、母国よりも給与水準の高い他国へ働きに行く人が多数存在します。そのような金銭的な事情だけではなく、ネパール人は家族を大切にする文化があるため、家族のために忍耐強く働き続ける傾向が強いといえます。また、ネパール人の特徴として、人懐っこくフレンドリーな方が多く、良好な職場環境を築きやすいともいわれています。

人とのコミュニケーションを好むスリランカ人。ここ数年は日本で働く人も増えてきており、日本の環境にもスムーズに適応しているようです。
またスリランカ人は人と触れあうことが好きで、人とのつながりや交流を大切にします。したがって職場の雰囲気になじむことは得意かもしれません。更に、上下関係を重んじる傾向は強いです。スリラン「自分より目上の人の言うことは守る」という考えを強く持っています。なので、しっかりと上司・部下の関係を保って仕事に取り組んでくれるでしょう。仏教徒が多いことが関係していますが、スリランカ人は平和主義です。周りとの調和を大切にし、仕事にも真面目に取り組む人は多いといえます。

ベトナム人は親日家が多く、日本の言葉や文化に興味を持っています。また日本人に似てまじめ ですので、日本語能力も高く、日本語能力試験 (JLPT)のN2レベル以上を持つ人が多い国で す。ベトナム人は、勤勉で忠実、協調性が高いという特徴があります。
ベトナム人は、特に介護や情報関連、飲食業などの産業分野で多く働いており、特定技能の対象 にもなっています。ベトナム人は、日本での就労を継続したいという動機が強く、特定技能に移 行することで、日本での在留や就労の安定性を高めることができます。

インドネシアは、特定技能外国人のなかで2番目に多い国籍です。特定技能で働くインドネシア 人は、一都三県に加えて茨城県と愛知県、大阪府に多く集まっており、特に産業や飲食料品製造 業、介護などの分野で活躍しています。インドネシアの月間平均所得は307万ルピア(日本円で 約2万9千円)なので、日本へ出稼ぎにくるケースが増加しているのです。
インドネシア人は、家族を大切にしたり助け合いの精神が強かったりする国民性です。またイス ラム教徒が多く、宗教的な配慮が必要になります。陽気な性格で時間にはルーズな傾向があり、 「jam karet =ゴム時間」という言葉が有名です。「ゴムのように時間は伸縮自在」と考えるた め、日本人の感覚とは違うと感じるかもしれません。
日本語能力はまちまちですが、日本語学校や日本企業での研修を通して、日本語を学ぶ人が増え ています。